小選挙区制のせいでキャスティングボードを公明党に握られる自民党。

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 米下院が金融安定化法案を否決した事で株価下落。これで日本の衆院選も遅れそうです(挨拶)。
 米下院が最大7000億ドル(約75兆円)の金融安定化法案を否決し、日本でも株価が大幅に下落したのを受け、自民、公明両党は30日、臨時国会で平成20年度補正予算案を成立させることで一致した。公明党は予算審議に慎重だったが、金融危機の深刻化を受け、未成立のまま衆院解散・総選挙に打って出ることは得策ではないと判断した。10月3日の衆院解散が濃厚になっていたが、これにより、解散時期は補正予算成立後に先送りされる方向となった。

(「10・3解散」先送りへ 株価下落で与党が「補正優先」確認):産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080930-00000531-san-pol

 米下院のまさかの否決で補正予算を通さずに衆院選に行けなくなったのは解ります。しかし常に公明党がキャスティングボードを握っているのが気に入りません。福田首相の退陣は公明党が来年の都議選に拘り衆院選を前倒ししろとせっついた為と言われています。今年の初めには太田昭宏代表が「今年度中の選挙は(負けるから)やらないと首相も解ってくれるはず」みたいな発言もしてましたね。

 自民党はあの郵政選挙衆院選で定数480の内296を獲得しました。これだけで既に過半数を遙かに上回っています。それに対して公明党は31。安部さんが目指した改憲には全体の2/3が必要ですから確かに公明党の分も必要だったかも知れません。しかし安部さんの目論見は瓦解し、それでも公明党が与党内で幅を利かせているのは何故なのでしょう?

 此所で小選挙区制って言う選挙制度に注目してみます。まあ日本の場合は比例代表も並立してるわけですがこの小選挙区制だけに限って言うと大政党が圧倒的に有利ってところと組織票が強いと言う特徴があります。その内の組織票って点では公明党の場合はその支持母体である創価学会の会員が雨が降ろうと槍が降ろうと選挙に行くのでかなり心強いものとなっています。小選挙区では1つの区では1人しか当選出来ないので公明党の立候補者が居ない区では比例代表の為に選挙に来ても票が浮くわけです。しかし公明党を与党に取り込んだ事で自民党は公明立候補が居ない区ではこの創価の組織票を期待できることになったわけですね。そして自民が強い時にはそれでも良かったのですけど、自民が弱くなった今ではこの創価票におんぶに抱っこになってしまったので公明党に頭が上がらなくなってしまったわけです。

 日本では1993年までは中選挙区制でしたがその後は小選挙区比例代表並立となりました。この小選挙区制ってものは日本が導入した頃は余りにも酷いと言う事で世界でも見直しが計られていたもの。実際に1票の格差が大きく死に票が多いですし、小政党はほとんど議席を獲得出来ない結果となりました。海外の話ですが第一党だった与党が選挙後には一桁の議席数に転落したり、イギリスではたった3%の総得票率の差で150議席以上の差が付いてしまったりと歪んだ選挙法って感じではあります。まあ自民党からすれば自党の勢力を伸ばす為に導入したのでしょうけど今となっては公明の組織票に頼る枷となってしまっています。もっともその公明党からも中選挙区に戻す声があるのは結局は自分達の議席を増やしたいと言う目論見なのでしょうけど与党内の発言力が弱まることになるんですけどねえ。

 そんなわけで今の自民党はかなり公明党の言いなりになる部分が大きいです。公明党の言いなりになることイコール創価学会ひいては庶民の王と号した池田大作の声が政界に影響を及ぼしていることですから気持ちの良い事ではありません。民主党を叩く上でネット右翼の方々が口を揃えて外国人への地方参政権を取り上げますがそれを言ったら公明党だってこれに熱心なわけですよ。そう言う方々は公明党にキャスティングボードを握られている今の自民党に対してどう心の中で折り合いを付けているのでしょうねえ。選挙日さえ31議席しか無い連中を納得させないと決められないってどういう事ですかね。官僚や経団連の言いなりなのはともかく創価にまで言いなりじゃ終わってるでしょ。