火星に有人探査は凄いけど、月の探査さえ不経済だから辞めたのに実現出来るのかな?

火星に有人探査は凄いけど、月の探査さえ不経済だから辞めたのに実現出来るのかな?
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 アメリカのオバマ大統領が2030年までに火星の有人探査を目指すと言う計画を発表しました。でも宇宙計画は金食い虫なので事業仕分けされて月の有人探査さえ中断してるのに火星まで行けるんでしょうかね?
 オバマ米大統領は15日、米航空宇宙局(NASAケネディ宇宙センターで新たな宇宙政策を発表し、2030年代中ごろまでに有人火星探査を目指す方針を明らかにした。
 オバマ大統領は集まった約200人を前に、2025年までに月よりも先に人を送るための宇宙船を開発すると発表。2030年代半ばまでに火星軌道に宇宙飛行士を送り、その後、火星への着陸も目指したいと述べた。
 有人火星探査の実現に向けた具体的なロードマップは示さなかったが、米政府は今後、宇宙政策に追加で総額60億ドルを費やす計画。
(米国が新たな宇宙政策、2030年代半ばに有人火星探査へ):ロイター
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100416-00000521-reu-int

 宇宙、それは最後のフロンティアって某SFのナレーションに有りますが冒頭にも書いた様にお金が掛かるんですよねえ。それでいて余りお金にならないんですよ。そんなわけで米ソが国家の威信を賭けて競争していた頃ならともかく、今はそれほど熱心じゃなかったりします。

 アメリカでもスペースシャトルの老朽化から新型ロケットを開発しないと駄目なのに予算不足で遅々として進んでいません。ロシアが使ってるロケットなんてスペースシャトルより昔の旧ソ連時代の設計の機体を改修して使ってたりします。アメリカはスペースシャトルからの切り替えを埋める為にロシアのロケットや日本の無人輸送船に頼るほど切羽詰まってるんだそうです。月の探査も断念してしまいましたしね。

 そうした宇宙事業の縮小はアメリカだけでなく世界各地で起こっています。日本でも事業仕分けで叩かれてましたしね。やはり宇宙を開発してもお金にならない事が大きいんでしょうね。ロケットの開発などには莫大な予算が必要ですし、打ち上げにも同じく莫大な資金が掛かります。それでい貴重な資源が大量に手に入ったりするわけでも無いのでどうしても不経済とされて敬遠されがちだったりします。

 ならば宇宙開発はどんなに頑張っても全くお金にならないのか?って言うとそうでもなかったり。月の表面には太陽から受けたヘリウムが降り積もってるそうですからこれがエネルギーとして利用できるようになればかなりの物らしいです。同じくヘリウムは木星にもたっぷりと有ります。他に月の地中には地球には無い様な希少な金属が埋蔵されている可能性だって有ります。

 ただしそうした資源を手に入れるのには更なる投資が必要だったりするんだよなあ。それこそ軌道エレベーターマスドライバーでも使わない限りはペイ出来る様なものにはならない気もしますが。そう言った意味でも再利用可能なスペースシャトルから使い捨てロケットに回帰するするらしいことを聞いてがっかりしてたりするわけですよ。確かにスペースシャトルは色々問題点が多く、それでいて信頼設計の旧ソ連ロケットが事故が少ないってのも理解は出来ますけどね。それでも技術的に退化した気分になるんだよなあ。何億円もするロケットを1回毎に使い捨てにしてしまうってのも不経済に見えてしまうんですよね。

 月にも行けなくなったのに火星に行けるのか?って事に関しては今の技術なら可能だろうと思います。距離は遠くなりますが技術的には月に行くのと同じで延長みたいな物ですからね。前に計算したのですが時速6万キロで飛んだとしても火星まで片道で54日かかるみたいです。これがその隣の木星まで足を伸ばすと437日に跳ね上がります。ちなみに一番近い金星には同じ速度で28日かかります。太陽系内だけでこれだけ掛かるんですから如何に宇宙が広大か解ろうものです。

 ただ同じ技術で行けるとは言っても問題点は有ります。やはり第一に莫大な予算が掛かるってこと。それを民間企業との連携でやると言ってますがそんなことが可能なのかってのは大いなる疑問。技術の下地が無いですしね。第二にこれはアポロ計画にも起きた事ですが事故を起こした場合には宇宙空間では助けが来ないってことですね。仮に火星と地球の間で何らかのトラブルが起こったら自力でなんとかしないと駄目ですし、下手したら永遠に宇宙に漂流する事になりかねません。第三にそれだけ長期間を人間が精神的にも肉体的にも耐えられるのかって事ですね。狭いコンテナに長期間閉じ込めてなんて訓練も有るようですがいざとなれば助けて貰える地上の訓練と助けが来る可能性が皆無の宇宙空間では精神に与える負荷が違うでしょうね。

 そんな風に色々な問題が有る火星有人探査ですが実現して欲しいと思うのは私が子供の頃からSF好きだからなのでしょうね。やはり宇宙は人類に残された最後の開拓地ですよ。やはりロマンじゃないですか。いくら不経済でもやり遂げて欲しいと思いますよ。まあ人類が火星に到達する頃には確実に私は生きてはいないでしょうけどね~(笑)。